はじめに
暫定公開&工事中です。とりあえず、プラ板六角柱と六角柱水槽のそれぞれ一部を公開しています。
自然現象が面白い→再現してみたい→実験してみたい→自分が実験して楽しい→皆さんが実験を楽しめるようにしたい。 そんな思いで続けている実験、観察です。
ちょっと一言
美しい実験装置を作られる方は結構おりまして、たとえば・・・
- Michael Vollmer and Robert Tammer,Laboratory experiments in atmospheric optics,Optics Express Vol. 5, Issue 4, pp. 75-86 (1999)
- Gunther P. Können,Symmetry in halo displays and symmetry in halo-making crystals. Appl. Opt. 42(3) 318-331 (2003)
- Michael Großmann, Klaus-Peter Möllmann, and Michael Vollmer,Artificial halos:American Journal of Physics 83, 751 (2015)
- Markus Selmkea) and Sarah Selmke, "Complex artificial halos for the classroom", American Journal of Physics (Am. J. Phys.), Vol. 84(7), 561–564, M. Selmke and S. Selmke, 2016.
・・・さらにたくさん。
ここは趣味の話ということで、私のオリジナル実験だけではないとお断りするとともに、参考とすべき文献を省略させていただいています。
↓↓↓ここから実験・観察が始まります。↓↓↓
大気光学現象再現実験
プラ板六角柱を使った再現実験
プラ板を六角形に打ち抜き熱を加えて作った六角柱を、氷晶の代わりとして使う実験です。 プラ板は氷よりも屈折率が高く、空気中では 90°のプリズムにはなれないので、水に入れて実験します。
22°ハロ&46°ハロ
六角柱の高さ( 氷晶で言うと c 軸長さ)と底面の直径( 氷晶で言うと a 軸方向の長さ )がほぼ同じプラ板六角柱を水槽に入れ、 撹拌することで六角柱をランダムな姿勢になるようにします。 太陽光代わりに明るい LED ライトをあてるとハロができます。
内側の白い円が 22°ハロ、外側の橙色から青色に変わる円が 46°ハロに相当します。 下の動画は合成で実際よりも多くのプラ板六角柱で実験した場合を再現したものです。
ダイヤモンドダスト
準備中
晶析実験
食塩を使った再現実験
水槽の中に食塩の小さな結晶を作り、ハロ現象を再現する実験です。 お湯で飽和食塩水を作って常温まで冷ますことで、しっかりとした直方体の結晶を作ると、90度プリズムによる奇麗な 1 重のハロが作られます。 プラ板六角柱のように二重になることはありませんが、こちらの方が理想的な90度プリズムに近いので、鮮明なハロとなります。
ミョウバンを使った再現実験
水槽の中にミョウバンの小さな結晶を作り、ハロ現象を再現する実験です。 食塩と同じような方法で結晶を作るのですが、ミョウバンは食塩と比べて水の温度に対する溶解度変化が大きいので、飽和溶液をゆっくり冷ます必要があります。 ミョウバンの結晶づくりでよく見かける八面体ではなく、八面体の頂点を切り取ったような形になるようで、多様な角度のプリズムとして働きます。 目視で目立つのは三重のハロです。
動画にしても三重になっていることが分かりにくいので、円周方向に明るさを平均化したのが右の写真です。 内側の二つが接近していてあるさの変化が小さいため見えにくくなっています。 この実験で作った結晶は直径 0.1 mm に満たない小さなものです。結晶をもう少し大きく作れば、 よりはっきりとしたハロになると思います。
六角柱水槽を使った再現実験
©株式会社興和
六角柱の水槽を氷晶の代わりに使う再現実験です。氷の屈折率に近い水は、空気中で 60°プリズムにも 90°プリズムにもなれます。 容器によっても屈折・反射をしてしまうのですが、水槽のサイズに比べて十分に薄い板であれば、再現される光象にそれほど違いは出ません。 実験は、ドームの中心に六角柱水槽を吊り下げ、光が集中するタイプのLEDライトを下方から水槽にあてて行います。 光の経路は、本物の光象と逆方向(方向ベクトルが原点に対して対称)となります。したがってドームの中心から観察しないと視差が生じます。 簡単に言うと、プラネタリウムと同じ投影状況となっていて、ドームの中央から離れた席ほど星の位置、星座の形がずれるのと同じです。 ということで、勝手にフォトメテオラリウム(大気光象+アリウム)と呼んでいます。
空の氷晶はほぼ点光源となり、それが集まって光象を作りますが、六角柱水槽は大きさを持っているので、いくつかの光象は実際と形が少し変わります。
氷晶の形と姿勢を観察しやすいように、十分な大きさを持った六角柱にして、ゆっくりと回転させる方法を取りました。 また、氷晶が空に浮かんでいることを想像しやすいように、水槽を釣り糸で吊り下げています。子供たちには安全に楽しんでもらうことを目的にしているので、目で追えないような高速回転(投影される光象の見た目の再現性は高い)のようなことは避けています。 実際、小学校に上がる前のお子さんにも喜んでもらえているのですが、正しい氷晶の浮遊状況を説明するにはよろしくないです。
角板氷晶で作られる光象
六角柱水槽はステッピングモーターから吊るし、ゆっくり回転(自転)させていて、その周期に合うように長時間露光して撮影したものです。 c 軸を鉛直方向に固定された状態の無数の氷晶で作られる光象を、回転方向に積分(→長時間露光)することで再現しています。
幻日・幻日環・環天頂アーク
映日・映幻日
太陽高度約 12°の時の角板氷晶による光象を再現した様子です。幻日、幻日環、環天頂アーク、映日、映幻日を観察することができます。 幻日は本物と比べて高さ方向が広く。映日は水平方向に広くなっています。
環水平アーク・幻日環・映日
太陽高度約 62°の時の角板氷晶による光象を再現した様子です。 幻日環、環水平アーク、映日(写真には写っていません)を観察することができます。 環水平アークは虹色が重なってしまうために、本物と違って綺麗な虹色に分光していません。
角柱氷晶で作られる光象
工作中・・・角板氷晶の場合、c 軸を鉛直方向にして回転軸にすればよいので、吊るして自転で簡単なのですが、 角柱氷晶の場合、c 軸を水平方向にして回転軸ににし、さらに、鉛直方向を回転軸とする二軸回転が必要です。 安くて簡単な方法で、二軸回転する方法と部品は決めたのですが、工作はこれからです。
六角柱プリズムを使った再現実験
幻日
アクリル製の六角柱(小物の飾り台などとして販売されているもの)をプリズムとして使って、太陽を光源に幻日を作る実験です。 アクリル六角柱を垂直に持ち少しずつ回転させると、どこかで七色に変化する光が目に飛び込んできます。それが六角柱で屈折してきた太陽光→幻日です。 右の写真には本物の幻日も見えていて、アクリル六角柱でできた幻日はかなり太陽から離れた位置にできます。アクリルの屈折率が氷よりもかなり大きいためです。 色が変化しない光も見えるのですが、それは幻日環を作る光です。青空で太陽が輝いているときは太陽を直接見ないように注意。
アクリル六角柱を上手に両手に持って、二つの幻日を再現することもできます。二人一組になって、一人が幻日を作る係、もう一人が観察する係になります。 幻日を作る係の人には幻日が見えないのですが、この実験で光の進み方と幻日の見え方がよくわかるようになります。 慣れると、幻日の色を変えることができるようになります。観察する人は幻日を作る人の影に入って観察します。太陽を直接見ないように注意。
準備中
映幻日
映幻日は、幻日と同じくらいアクリル六角柱の持つ角度に余裕があるので、比較的再現しやすいです。
120°幻日
120°幻日はスポット的に現れる現象なので、アクリル六角柱の持つ角度もピンポイントでちょっと難易度高めです。 光自体はとても明るいので、一度光らせることができれば再現しやすくなります。 120°幻日の光の経路は、アクリルに入る面と出る面が平行でかつ内部反射だけなので、太陽に対する光の進行方向に屈折率は関係がなく、 本物の120°幻日と同じく、太陽と同じ高度かつ方位が120°異なる方向で光ります。
アクリル六角柱の光っている部分を見ると、かなり小さな面積だということが分かります。 小さな面積→六角柱の姿勢に”遊びが少ない”→スポット的な光&かなり安定して氷晶が浮いていないと見えない ということ理解できます。
超音波加湿器や湯気を使った再現実験
小さな水滴で作られる光象、光環、彩雲、光輪を作る実験です。 これらの光象は、小さな水滴があれば必ず見えるわけではなく、ある程度粒径がそろった水滴が必要です。
超音波加湿器
©株式会社興和
超音波加湿器は、光環等の光象を作るにはなかなか良い小さな水滴を作ってくれます。しかしながら、それほど粒径が粒径がそろっておらず、 粒径も少し大きいので、ちょっと再現実験に使うには少し工夫が必要です。
光輪
超音波加湿器で作った霧を浅い容器に静かにため、そこへLEDライトを当てることで光輪を作り出します。 自然にみられる光輪は太陽光が光源になるので、自分(より正確には観察位置→目の位置、カメラの位置)の影の周りにできます。 光輪が後方散乱で作られるからで、LEDライトで照らすこの実験場合は LEDライトの周りにできます。LEDライトを真後ろから見ると一番明るく見えます。
光輪はLEDライトについてきます。また、LEDライトと霧の距離や霧の濃さによって見え方が変わります。 LEDライトを持って観察している人は楽しいのですが、隣の人から光輪はほとんど見えません。
この実験でもう一つ面白い点は、LEDライトと光輪の視差がゼロというところです。光輪は、霧で後方散乱して作られるにもかかわらず霧の位置には見えず、 LEDライトの先端にくっついて宙に浮いているように見えます。手が届くのに触れない光です。 普通の写真や動画ではその様子は伝わらないので、ぜひご自身で体験してもらいたい実験です。
結露
湯気や吐息で作る結露および自然な結露は、まあまあ良い水滴サイズになることはあるのですが、 少し実験方法を工夫しないと綺麗な光象を再現できません。
光環
眼鏡光環
眼鏡をかけてマスクをしていると、吐息で眼鏡が曇ることがあります。それが光環ができるのにちょうどよい具合で、街灯周りにとてもきれいな光環ができることが良くあります。 照明の種類によって光環の色の付き方が様々で、かなり楽しいです。LEDはほぼ連続スペクトルなので、太陽等の光環と同じような色のパターンになるのですが、蛍光灯、ハロゲン灯、ネオンなどは不連続スペクトルということもあって、光環の色が変わります。
光輪
準備中
ガラスビーズを使った再現実験
虹ビーズ
虹
準備中
ブロッケンビーズ
ブロッケンビーズは、株式会社シータスク・UnDigital科学博物店の商品です
参考…足利裕人:ブロッケン・スクリーン,http://space.geocities.jp/ashix58/brochen.htm
目で容易に見えるサイズのガラスビーズでは虹しか作れません。光輪を作る水滴は虹を作る水滴よりも小さく、髪の毛の太さ程度からより小さいサイズのビーズが必要です。 ブロッケンビーズは直径 60μm 前後の特殊なガラスビーズで、綺麗な光輪と光環を作り出すことができます。 ブロッケンビーズ+カードケースは、場所もとらず、一つで 2 つの現象を観察できて便利です。
光輪
ブロッケンビーズを入れたカードケースを床に置き、ファイバーライトで照らして作った光輪。 ファイバーライトの発光部=先端を中心に独特な色と半径の虹ができます。 超音波加湿器で作った光輪と同じく、ファイバーライトについてきます。 小さなお子さんにこれを見せると、光輪をつかもうとしてファイバーライトをつかんでしまう、という楽しいことが起きます。 それは、正しい感覚です。
光環
ブロッケンビーズを入れたカードケースを目の前にかざし、ブロッケンビーズを通してファイバーライトをみると、 見事な光環を観察することができます。
再帰反射テープ
市販されている反射テープは、光がきた方向に強く反射する仕組みがあります。多少斜め方向(テープ面の法線から外れた方向)からの光も元の方向へ反射するので、道路標識のようにライトで照らすと明るく輝きます。 仕組みの細かな説明は、各メーカーのホームページを参照してもらうとして、「再帰反射」をうたった反射テープには、小さな(特殊な)ガラスビーズが埋め込まれたものがあります。このビーズが水滴のような役割を果たして、水滴による大気光象を作る(かもしれない)と実験しました。
虹
あまりはっきりはしないものの虹は作り出されました。ガラスビーズのサイズに多少のばらつきがあるためかもしれません。 粘着テープなので、ガラスビーズをノリで紙に固定するよりも簡単に虹実験ができると思います。 大きな面へ奇麗に張ることで、円形の虹を作る実験も可能だと思いますが、大きいものはネット販売でしか入手できないかもしれません。
光輪
左が再帰反射テープ、右がブロッケンビーズです。 再帰反射テープには光輪は見られませんでした。 正確には、小さすぎて(カメラの陰にかくされて)見えないのだと思われます。 粒子のサイズが小さいほど光輪は大きくなりますから、 ブロッケンビーズよりも再帰反射テープに使われている球は大きいのでしょう。写真計測では直径 70 μm 前後です。
花粉を使った再現実験
スギ花粉はアレルギーを持っている方にはつらいものですが、美しい花粉光環を作り出してくれます。
スギ花粉の詳しい解説は天空博物館 http://www.asahi-net.or.jp/~cg1y-aytk/ao/index.html(綾塚さんのホームページ)で勉強してください。花粉光環に限らず、大気光学光象の科学的な解説がしっかりとされているページで、虹の色の順番の正しい解釈のスライドなどがあり、大気光学現象を勉強するのにおすすめです。
まず春に杉林で花粉を採取します。花粉が飛んでいる時期で気温が高い日であれば、花のついたにビニル袋をかけて軽くゆすると花粉が取れます。 落ちている花付きの枝があれば、密閉できる袋に入れて日に当てれば花が開き花粉が出てきます。
集めた花粉をカードケースに少量入れて密閉すると、花粉カードができます。 杉花粉はとても小さく、少しでも隙間があると漏れ出します。隙間をきっちり接着剤でふさぐとよいと思います。
光環
太陽の代わりの点光源(LEDファイバーライト)を花粉カードで透かしてできる光環です。本物の花粉を使っているので正に花粉光環です。 室内で点光源に近いものがあれば、そのすべてに光環ができます。夜間のイルミネーションで実験すると、花粉光環の数がすごいことになります。
※重要:太陽を使っての実験はしないでください。太陽をほぼ直視することになるので危険です。 なお、大気光象の観察と同じように日陰から観察してもこの花粉光環は見えません。方法がないわけではないのですが、お勧めできません。
光環の色付く半径は粒子サイズによるので、 本物の花粉光環(右写真)と花粉カードによる花粉光環の視直径はほぼ同じ(カードケースの屈折が加わるので微妙に違う)になります。 本物を観察するときの目安になると思います。
ブロッケンビーズで光環も光輪も見えるのであれば、花粉でも?と考えるのですが、花粉では光輪は見えません。残念。
光輪
街中で見かけた疑似大気光象
日常生活の中にも大気光学現象と似た原理で、面白い光象が作り出されています。ここでは太陽を通る円となる光の現象を幻日環としています。
幻日環
ビル幻日環
ビルの壁面に再現された幻日環。ビルの壁材に縁の丸いタイルが貼られていて、 それが氷晶の鉛直面(法線が水平になっている面)と同じ役割をして幻日環(の一部)を作り出しています。
本物の幻日環とビル幻日環が同時に見られた貴重な観察事例。太陽を貫く幻日環の延長上にビル幻日環があることが分かると思います。 なお、空には幻日環のほかに、幻日、22°ハロ、上部タンジェントアーク、上部ラテラルアークも見られます。
太陽柱
ネット太陽柱
ネットを利用した太陽柱再現実験。ネットを作っている糸の表面で太陽光が反射することで作られます。 ネットの水平方向の糸の表面反射は、太陽柱を見せる氷晶表面での反射と似ている状況になっています。
光環
蜘蛛の網とスモークツリーで作られる光環、原理的には水滴やスギ花粉と同じ物理で出来ると思われるので、疑似ではないですね。
蜘蛛の網光環
蜘蛛の網(糸)が虹色に色つくところはよく見かけると思います。 一見規則性のなさそうな虹色に見えますが、蜘蛛の種類によっては光環が見られます。 糸には粘着性のある水滴のようなものがついているのですが、その大きさがそろっていてかつ適度な大きさであれば、光環となるようです。 いろいろ観察したのですが、大きな巣で糸が太いジョロウグモの巣は観察しやすいようです。
スモークツリー光環
スモークツリーと呼ばれるハグマノキ( Cotinus coggygria )の花(花托)を透かすと、見事な光環を観察することができます。
光環が見えるということから、雲粒サイズの何かが花にあることが推定できるので、 雪結晶撮影用レンズで確認してみました。
光環が見えるということから、雲粒サイズの何かが花にあることが推定できるので、 雪結晶撮影用レンズで確認してみました。 細い毛は、透明でねじれていて、その太さは約 20マイクロメートル。 スギ花粉の直径よりも少し細いです。この細さなら、光環が作られるのも納得です。
映日
床映日
フローリングの床は少しでこぼこしているので、水平な反射面だけでなく少し傾いた反射面もあります。 それが実際の氷晶の浮き方(水平からある程度ばらつきがある)と似ているので、縦に伸びた映日が再現されます。 通常画像・ シミュレート画像
表面反射による擬似ハロ
「太陽を中心とした円周上が光る」ということから、勝手に「ハロ」と呼んでいます。正式な呼び方ではありません。
枝ハロ
太陽の周りを取り囲むように、枝が光っています。この光、たまたま枝が太陽を囲むように伸びているのではなく、 太陽を中心とした円の円周方向に近い枝が選択的に光っているものです。 光の反射だけですが、枝による光象と言ったところでしょうか。 このように光って見える理由は二つ。 一つは、円筒形をした枝の表面に浅い角度で光が当たるほど明るく反射する(真正面から水面たガラスを見ても景色は殆ど反射して見えないけれど、浅い角度からみると、鏡のように向こうの景色が反射して見えることと同じです)こと。 もう一つは、太陽に向かう方向の枝は点でしか光を反射できないけれど、円周方向に伸びる枝は線で光を反射できることです。 細かい傷がランダムについた金属面で太陽を反射させると、 この写真と同じように、反射して見える太陽の周りを取り囲むように光の筋がたくさん見えます。 新品ではなく、ある程度乗りこなした車のボンネットとかで観察してみると良いと思います。 ※ただし、まったく同じ理由で見えるわけではありません。
どんな条件の時に(はっきりと)見られるのか?と観察を続けたのですが、当たり前のような結論。
- 葉が生い茂っていない(それはそうだ、と言ってはいけません) 若い芽が出ていても見えますが、葉が開いてくるとダメでした。
- 空が澄んでいる 空の透明度が低いと、太陽の近くは白く明るくなるので、枝の反射光が目立たなくなります。
最低この二つです。観察するときは、くれぐれも太陽を直接見ないように。
穂ハロ
枝ハロと同じ理屈で、ススキの穂で作られた「穂ハロ」。細かい毛がたくさんある植物(タンポポの綿毛とか)なら、同じように見られる可能性がありますが、 太陽光が当たりやすい空間位置に毛が並んでいる方が見やすいと思われます。ススキの穂はおおむね平面上に種子が並んでいて、ほとんどの毛に太陽光が直接当たるので観察しやすいものと思われます。 逆光の風景の中で白く光って見えるススキの穂ですが、見方によってこんな風にも光るところが面白いです。拡大してみると、虹色に光っていることもわかります。
蜘蛛の網ハロ
枝ハロと同じ理屈で、窓にランダムに張られた蜘蛛の網の横糸で作られた「蜘蛛の網ハロ」。 22°ハロのように、決まった半径で明るく見える環になるわけではありませんが、光の筋にちょっと虹色がついて奇麗だと思いました。
窓としては、汚れているのでしょうけれど。
植込み等に見られる不規則な網(スズミグモとかコクサグモとか?)を透かして見ると、見事な疑似ハロを観察できます。 木陰に貼られている網を観察するなどして、太陽を直接見ないように注意が必要です。
蜘蛛の網幻日環
蜘蛛の網による光学現象です。縦糸で幻日環のようなもの、横糸で太陽柱のようなものが作られます。 幻日環(のようなもの)は、太陽と蜘蛛の網の中心を通る円に、太陽柱(のようなもの)は、太陽と蜘蛛の網の中心を通る直線になります。
写真は魚眼レンズで撮影していますが、目視でも綺麗に見えます。頭を動かして視点を変えても、太陽と蜘蛛の網の中心を通るのが面白いです。 大きな蜘蛛の網を見つけたら、太陽の強い光に気を付けて観察してみてください。写真で記録するなら、ちょっとピンボケにした方が「蜘蛛の網光象」が目立つのでお試しください。
図学で理解する蜘蛛の網幻日環
蜘蛛の網の縦糸が作る幻日環は、糸を円柱と考えてその表面反射だけでも再現されます。
まず、蜘蛛の網の縦糸は、任意の1点を通る直線群になります。そして太陽からの光跡も任意の1点を通る直線群になります。 鏡のような面で反射する光跡は、光源-反射面-観察位置を最短経路で結ぶ経路を取ります(その物理の詳細は…省略)。 つぎに、計算を簡単にするため光の経路を並行投影図で描くと、 自分の目に届く光の位置(座標)は、反射する位置(座標)と一致します(光点の平面座標からそのまま画面手前方向に並行な直線になるため)。 縦糸と太陽からの光跡に当てはめると、縦糸が光る位置=反射点位置「任意の2点それぞれを通る2直線が直交するときの交点」となります。高校数学で解くならベクトルの内積を使うと簡単です。
結論として、交点の位置は「任意の2点を直径とする円」に乗ります。つまり「蜘蛛の網の中心と太陽を結ぶ線分を直径とする円」が光ることになります。 その結果を EXCEL と VBA でちょっと作ったのがこの動画です。
観察例は、ほぼ垂直面に張られた蜘蛛の網に対して、向こう側に太陽がありました。では、そのほかの位置関係ではどうなるのか気になります。 例えば地面近くで水平面に張られた蜘蛛の網ではどう見えるのか?
図学では簡単に答えが出てくるのですが・・・皆さん、実際に観察して答えをみてくださいね。
家庭用冷凍庫と霜
冷凍ミカン
冷凍ミカンを冷凍庫から出してからすぐに食べるのは大変。皮をむけるようになるまでちょっと待つ間、表面に成長する霜を観察すると楽しいです。 この写真は鞘状の霜がミカン表面を埋め尽くしている様子をとらえたものです。
氷菓
冷凍ミカンで視も観察できるなら、アイスでも・・・となるのですが、溶けて柔らかくなったらおいしくなくなるからちょっと、という方もいらっしゃるでしょう。 そこでおすすめなのが、固さで有名なアズキバー。運が良ければ六花の雪結晶のような霜が見つかります。
次の 4 枚セットの写真は、カップのチョコレートアイスの表面に、冷凍庫の中で成長していた霜と、観察を始めてから成長した霜の様子です。
1.冷凍庫の中で保存している間に成長していた骸晶角板のような霜。結晶の縁がギザギザしていますが・・・
アルミブロック
冷凍庫に入れておいたアルミブロックを、机の上へ静かに置いて成長させた霜です。 なかなか綺麗な六花(巻込骸晶付六花)に成長しました。 霜の周りに水滴がついていない円形の領域がありますが、これは、氷の蒸気圧よりも霜の蒸気圧の方が高いことからできるもの。 水滴はすべて過冷却水です。
偏光板で氷を観察
水たまり氷
準備中
つらら
準備中
ざらめ雪
準備中
凍露
準備中
水の凍結実験
凍結進行中
準備中
準備中
完全凍結後
準備中
チンダルの花
準備中